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逮捕された際の弁護士の役割
1 もしも逮捕されたら
実際に犯罪の被害にあった方は、「まさか自分が犯罪の被害にあうとは思ってもいなかった」と感じる方が多いことでしょう。
しかし、「防犯のために対策をしなければいけない」ということ自体は誰もが意識していることです。
一方、自分や家族が犯罪の嫌疑をかけられ、逮捕されたらどうすればいいか考えたことがある方は少ないかもしれません。
逮捕後の手続においては、⑴逮捕後48時間に微罪処分となり送検を免れることができるか、⑵送検後24時間後に勾留を免れることができるか、⑶勾留決定から最大20日後に起訴されるかどうか、という3つの重要な局面があります。
それぞれの局面で適切な対応をとることが、早期の釈放と不起訴処分の実現のためのポイントとなります。
2 刑事事件における弁護士の役割
⑴ 起訴前の役割
弁護士というと、法廷で被告人の情状酌量の余地を主張したり、無罪を訴えたりする姿を想像するかもしれません。
しかし、法廷における活動は弁護活動の一部に過ぎません。
すでに説明したように一度起訴されてしまうと有罪とされる可能性が極めて高いため、起訴前に早期釈放を実現したり不起訴処分を獲得したりするための弁護活動は特に重要です。
逮捕の目的は逃亡や証拠隠滅を防ぐことにありますので、住居不定でない限り、逃亡や証拠隠滅をする可能性が低ければ逮捕を継続することはできず、釈放しなければいけません。
そこで、検察官や裁判官に対して次のような主張を行うことで早期の釈放を実現できることがあります。
- ・罪を認めて十分に反省しており、証拠隠滅のおそれはない。
- ・犯罪が軽微であり、軽い処分が見込まれるにもかかわらず逃亡するとは考えられない。
- ・本人に家族や定職があり、それらを捨てて逃亡をするとは考えられない。
- ・家族が本人を監督することを約束しているので、逃亡や証拠隠滅の可能性が低い。
- ・すでに必要な捜査が行われており、証拠隠滅のしようがない。
- ・被害者と示談が成立しており、あえて被害者と接触して証拠隠滅を図るとは考えられない。
⑵ 接見
弁護士には被疑者や被告人と立ち合いなしで接見する権利が保障されています。
接見とは、警察署の留置施設などで被疑者・被告人と面談して弁護方針などについて話し合いをすることをいいます。
家族など弁護人以外も接見をすることはできますが、1回の接見の時間や1日のうちに許される接見の回数は制限されており、接見には警察官が立ち会います。
また、逮捕から勾留決定が出るまでの72時間は弁護士以外が接見することは困難です。
さらに、警察や検察などの捜査機関の請求により裁判所が接見禁止の決定を出すことがあります。
これが出されると、弁護士以外が接触することは手紙のやりとりも含めて一切禁止されます。
弁護士は接見禁止の有無や逮捕後の期間を問わず、警察官の立ち合いなく、時間や回数の制限もなく被疑者や被告人と接見することができます。
⑶ できるだけ早く弁護士に依頼する
このように、弁護士には刑事手続においてさまざまな特権が認められています。
身柄を拘束されて捜査機関による取り調べを受けることは、逮捕された人にとって精神的にも肉体的にも非常に過酷なものです。
そのようなときに被疑者・被告人を徹底的にサポートできるのは弁護士だけです。
突然逮捕されて身柄を拘束され、孤独と不安と闘っている方にとって、自分の味方になってくれる弁護士は何よりも心強いものです。
逮捕されてしまったときは、早期の釈放と不起訴処分の実現のために、一刻も早く弁護士に依頼することをおすすめいたします。
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